スペイン語のRecordarとAcordarseの違い|意味と使い方

2021/03/08 ▶︎

上級 単語の違い

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こんにちは、ギド(@GuidoKoiSpanish)です。
みなさん、コモエスタン?

今日はスペイン語をやっていて多くの学習者が混乱してしまう「RecordarとAcordarseの違い」を整理したいと思います。

前半では意味やニュアンスの違い、後半では使い方の違いを説明していきます。そして、最後には僕なりの感覚もちょこっと書いておきました。

RecordarとAcordarseの意味は同じと思うべし

amigos

まずは意味を確認しておきましょう。

RecordarレコルダールとAcordarseアコルダールセはどちらも「覚えている、思い出す」と訳します。意味が同じなだけでなく、スペルや発音も似ていてほぼ瓜二つ。

同じ要素をもつソックリ単語なので、「彼の名前を覚えている」と言いたい時、どちらの単語でも代用できます。

  • 「彼の名前を覚えている」
    =Recuerdo su nombre.
    =Me acuerdo de su nombre.

ネイティブも困るRecordarとAcordarse

どちらも過去の経験・出来事の記憶に関する単語なので、ネイティブに違いを質問しても"Son sinonimos.(同義語だよ)"という答えが返ってきます。

そんなんじゃ納得いかない!と食い下がって尋ねても困った顔をされ、あまりしつこく質問すると逆ギレされます。笑

それくらい似通った単語なので、RecordarとAcordarseの意味に関しては同じだと理解してもらっても差し支えありません。

RecordarとAcordarのニュアンスの違い

同じ意味だと言われても、ニュアンスには多少の違いがあるのでは?次にRecordarとAcordarseのニュアンスの違いを見ていきます。

それぞれの単語の本質を見てみると、なぜネイティブがRecordarとAcordarseの違いを説明できないのかも分かると思います。

Recordarのイメージ

Recordarは、ラテン語Cor「心」から派生した単語で、思い出や記憶を再び心によみがえらせるイメージです。《Re(再び)+Cor(心)》

再び心に浮かび上がってくるということは、言い換えればすでに潜在意識の中にその思い出や記憶があったということになりますから「思い出す」と同時に「覚えている」というニュアンスも含んでいます。

Acordarseのイメージ

Acordarseもラテン語Cor「心」から派生した単語です。しかも行為が自分に返ってくる再帰動詞-seの形なので、自分自身の心へ向かって記憶をたどっていくイメージです。《A(〜へ) + Cor(心)》

記憶をたどって「思い出す」ということは、それを「覚えている」ということにもなります。

ネイティブの感覚

どうですか?僕がしつこく質問をして逆ギレされた理由がわかりましたか?笑 記憶が心によみがえろうが、心へ向かって記憶をたどっていこうが、結局は心に記憶が現れて「覚えている、思い出す」という意味になるのでネイティブにも説明が難しいんですね。

でも、しつこく質問してわかったことがあります。笑 ネイティブの感覚だと、Recordarは回顧感を強く感じる単語で、比較的古い情報やすっかり忘れている内容に対して使われやすく、一方Acordarseは、Recordarよりも思い出す深さが浅く、比較的新しめの情報や単純に忘れている内容に対して使われやすいようです。

あくまでも傾向なので、すべてがこのルールに当てはまるわけではないですが、こういうネイティブの感覚を知っていると2つの単語への見方が少しは変わってきますよね。理解が深まるちょっとした参考にはなると思います。

そのネイティブはこうも言っていました。「意味やニュアンスは本当に一緒だからどっちを使っても大丈夫。僕らはそんな細かいことは考えたことない。そんなことより、使い方が全然違うからそっちを意識したほうがいい。」とのことです。笑

RecordarとAcordarseの意味やニュアンスはほとんど同じだということなので、ネイティブの言っていた"使い方"について次に見ていきたいと思います。

RecordarとAcordarseの使い方

色鉛筆

意味とニュアンスの違いについては、あまり決定的な違いがありませんでしたが、動詞の使い方は根本から違います。違いも含めてRecordarとAcordarseの特徴をそれぞれ見ていきましょう。

Recordarの特徴

まずはRecordarから見ていきます。知っておきたい特徴は4つです。

①Recordarは他動詞

Recordarはとにかく、他動詞です。他動詞です、他動詞です。非常に重要なので、3回言いました。笑

他動詞なので、人や物など目的語を直接とることができます。SV節や不定詞もそのまま置けます。〈recordar ...〉のパターンで覚えておきましょう。

  • Recuerdo su cara.
    彼の顔を覚えています。
  • ¿Recuerdas qué te hizo ella?
    彼女が君に何をしたか覚えてるかい?
  • ¿Recuerdas dónde estacionaste el auto?
    車をどこに停めたか覚えてる?
  • Recuerdo jugar al fútbol con mi hermano.
    兄貴とサッカーしたのを思い出すなぁ。

②再帰動詞はつくれない

Recordarには再帰動詞の用法がありません。つまり、"Recordarse"という形は存在しません。

なので必然的に、再帰代名詞(me, te, se, nos, os, se)と一緒に使うことはありません。

③「〜を思い出させる」

Recordarには「〜を覚えている、〜を思い出す」という意味の他に、「〜を思い出させる」という意味もあります。この意味で使われた場合、日本語の訳し方を工夫する必要があります。

  • Esta canción me recuerda mi infancia.
    この歌を聴くと幼い頃を思い出す。
    (直訳:この歌は私に幼い頃を思い出させる)
  • Recuérdame mañana que le llame a José.
    明日ホセに電話するのを忘れないようにリマインドしてね。
    (直訳:ホセに電話するように明日私に思い出させて)

例文にある"me"は間接目的語(me, te, le, nos, os, les)です。再帰目的語と混同しないように気をつけてくださいね。

④直接・間接目的語が使える

Recordarは他動詞なので、直接目的語(me, te, lo/la, nos, os, los/las)をとることができ、また上の例文のように間接目的語(me, te, le, nos, os, les)もとることができます。

Acordarseの特徴

次は、Acordarseです。知っておきたい特徴は2つです。

①Acostarseは自動詞

Acordarseは再帰動詞で自動詞化されているので、人や物など目的語やSV節、不定詞を直接とることはできません。これらを目的語としてとりたい場合は、繋ぎとなる前置詞deが必ず必要です。〈acordarse de ...〉のパターンで覚えるといいでしょう。

  • Me acuerdo de José.
    私はホセのことを覚えています。
  • Todavía me acuerdo de su última palabra.
    今でも彼の最期の言葉を思い出す。
  • ¿Te acuerdas de que fuimos a la playa el año pasado?
    去年ビーチに行ったの覚えてる?
  • Justo me acordé de comprar jabón.
    ちょうど石けん買うの思い出したわ。

②直接・間接目的語が使えない

Acordarseは自動詞化されているので、直接目的語(me, te, lo/la, nos, os, los/las)はとることはありません。また動詞の特性上、間接目的語(me, te, le, nos, os, les)もとることはありません。

Me lo acuerdoとかse le acuerdaという使い方はしないということです。

RecordarとAcordarseの用法の違い

重要,important

上記の特徴を簡単にまとめると、こうなります。

Recordar「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • 他動詞である
  • 人や物を直接とれる
  • 直接目的語・間接目的語をとれる
  • 再帰動詞はない
  • 「〜を思い出させる」という意味もある
Acordarse「覚えている、思い出す」
  • 自動詞である
  • 人や物をとるときは前置詞deが必要(Acordarse de ...)
  • 直接目的語・間接目的語はとれない

他動詞なのか、自動詞なのかが用法の分岐点になるので、そこさえおさえておけばRecordarとAcordarseの用法は意外にすっきりと理解できるかと思います。

最後に、僕個人が感じる違いについて話して終わりたいと思います。こちらも参考にしてみてください。

まとめ|RecordarとAcordarseの個人的感覚

RecordarとAcordarseで混乱してしまうのは、日本語の意味も原因だと僕は思います。日本語では「覚えている」と「思い出す」は別の意味なんですが、スペイン語では一つの単語の中で共存してるんですよね。

参考になるか分かりませんが、僕の経験ではまず「思い出す」よりも「覚えている」と訳すことが多い気がします。なので、まずは一旦「覚えている」と理解しておいて、しっくり来ない場合は「思い出す」と訳すといいかと思います。

あと、会話ではAcordarseを使う頻度が多いです。巻き舌のRよりAの方が発音しやすいからというのもあると思いますが、AcordarseはRecordarに比べると、回顧感がなくニュアンス的な深みが薄いので、それが逆に会話では気軽に使いやすいのかなと思います。

Recordarは文字で見る機会が多い気がします。文字が短くて書くのが楽というのもありますが、文字の見た目、特に"Re(再び)"のおかげで単語のニュアンスが視覚的に伝わってくるからだと思います。パッと見でインパクトがありますよね。実際、看板や貼り紙などではRecordarを使うことが多いとネイティブも言っていました。

  • ¡Recuerden ponerse la mascarilla antes de entrar!
    入る前にマスクをするのを忘れないで下さい!

最後はかなりざっくりとした僕の感覚なので、独り言だと思ってお読みいただけたらと思います。

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