こんにちは、ギド(@GuidoKoiSpanish)です。
みなさん、コモエスタン?
Huevoとは、スペイン語で「卵」という意味の基本単語ですが、アルゼンチンにいて何度もこの単語を含むスラング表現を耳にしたことがあります。
せっかくなのでスペイン語のネイティブと一緒にHuevo(卵)を使ったスラング表現を集めてみました。
さて、Huevoを使ったどのようなスペイン語表現があるのでしょうか。
この記事ではHuevo(卵)を使ったスペイン語スラングをご紹介していきます。
No seas huevo frito.(馬鹿になるな)
No seas huevo frito.はスペイン語のスラング表現で、「馬鹿になるな」という意味。
No seas tonto.と同じ意味だよ、とネイティブが教えてくれました。
huevo fritoは「目玉焼き」の意味ですが、ここでは「無能な人」や「だらしない人」といった否定的なニュアンスが含まれています。
その理由は諸説ありますが、以下のような理由からhuevo fritoにはネガティブなイメージがあるようです。
- 目玉焼きは油で揚げるように作るので、脂っぽく不健康なイメージがある。
- 目玉焼きは簡単に作れる料理なので、料理ができない人や手抜きをする人のイメージがある。
- 目玉焼きは目が大きく開いているように見えるので、死人のイメージがある。
個人的には2番目の理由が有力なのでは?と思っています。
この表現はたとえば、友達がふざけてくだらないことをしてたときに、No seas huevo frito.(馬鹿になるな、馬鹿なことしてんじゃないよ)というように、相手をたしなめるような状況で用いることができます。
この表現は主に南米を中心に使われているようです。
ネイティブいわく、おじいちゃんやおばあちゃんがよく使う表現で若い人はあまり使わない表現のようです。
Va a pissando huevos.(のろのろ歩く)
Va a pisando huevos.は、直訳すると「卵を踏んで行く」という意味ですが、「のろのろ歩く」という意味として用いられます。
この表現は、卵を踏まないように慎重に注意しながら歩く様子から、ゆっくりとした動きを表現するようになりました。
たとえば、遅刻しそうで焦っているときに、Va a pisando huevos.と言えば、「前の人がのろのろ歩いている」と相手の歩くスピードに対して、怒りや不満、イライラした気持ちを表すときに使うことができます。
日本だと通勤ラッシュで人がごった返す駅構内や、全然先に進まない原宿の竹下通りをイメージすればいいでしょう。
スペイン語のスラング表現の一つなので、使うときはちょっと注意が必要です。前をのろのろ歩いている人に聞こえないように使ってくださいね。
Me chupa un huevo.(どうでもいい)
スペイン語のMe chupa un huevo.は、日本語で「どうでもいい、気にしない、クソくらえ」という意味のスラングです。
直訳すると「卵が私を吸う」というわけの分からない意味になりますが、これは比喩的な表現であって、実際に「卵が私を吸う」という意味ではありません。
どうして卵が私を吸うことが「どうでもいい、気にしない、クソくらえ」になるかは諸説があり、ネイティブに聞いても正確には分からないとのことでした。
ただ、代わりに次の画像を見せてくれました。
シュールですね(笑)画像のように卵が私を吸うのは無意味なことだから「どうでもいい」ということなのかもしれません。
Me chupa un huevo.はある状況やある出来事に対して無関心で、気にも止めず、重要視していないことを表します。
あるいは、相手やある意見に対して軽蔑し、相手に全く価値を見出していない冷淡さを表します。
たとえば、¿Qué te parece la nueva canción de Shakira?(シャキーラの新曲どう思う?)という質問に対して、Me chupa un huevo. No me gusta la música pop.(どうでもいい。ポップミュージックは好きじゃないんだよね)というようにちょっと相手を突き放すニュアンスで使います。
この表現は主として、アルゼンチンで用いられることが多く、他のラテンアメリカの国でも使われることはありますが、スペインではあまり一般的な表現ではないようです。
注意点としては、低俗な表現であるため、フォーマルな場面や目上の人に使うのは避けるようにしてください。
友達同士でも親しい間柄の場合で使うようにしたほうが無難でしょう。
Me cuesta un huevo.(とても高い、とても難しい)
Me cuesta un huevo.は非常に口語的なスペイン語で「とても高い」「とても難しい」という2つの意味があります。
Huevoは基本的には「卵」という意味ですが、そこから連想して「睾丸」という隠れた意味もあります。
この表現は、何かを手に入れるためには大きな代償を払わなければならないというニュアンスの表現であり、睾丸はとても大切に扱われる部分なので、そこから大きな代償をイメージさせるようです。
例えば、以下のように使うことができます。例文を確認してみましょう。
- Esta ropa me cuesta un huevo.
この服は目が飛び出るほど高い。 - Me cuesta un huevo aprobar el examen de las matemática.
数学の試験に合格するのは私にはすごく難しい。
カジュアルというより、Huevo=睾丸なので、あまり品のいい表現とは言えません。
表現するときは使う相手を間違わないよう気をつけてください。
Deja de hinchar los huevos.(迷惑をかけるのをやめろ)
Deja de hinchar los huevos.とは、直訳すると「卵を腫れさせるのをやめろ」になりますが、訳としては「迷惑をかけるのをやめろ」という意味になります。
このHuevoは「卵=睾丸」を意味しており、睾丸が腫れるのは不快な状態になることに由来しています。
相手のしつこくて不快な行為を批判したり、怒りや不満を表したりするときに使います。
たとえば、子どもが騒いでいるときに、親がDeja de hinchar los huevos.と言えば、「迷惑をかけるのをやめなさい、うるさいからやめなさい」というニュアンスになります。
deja de hinchar los huevos.はアルゼンチンやウルグアイで生まれたスラング表現だと言われていていますが、フランス語のarrête de me gonfler les couilles(私の睾丸を腫れさせるのをやめろ)という表現から生まれたという説もあります。
どちらにせよ、この表現はとても口語的で、下品に聞こえます。
使う場面を選んで、できれば本当に親しい間柄で使うことをおすすめします。
¡Qué hincha huevos!(なんて面倒くさいんだ)
¡Qué hincha huevo!はスペイン語のスラングで、「何てうるさいんだ!何て面倒くさいんだ!」という意味です。日本語で言うと「うぜー」に近い表現でしょう。
hincha huevoは直訳すると「卵=睾丸を腫らす人」という意味で、面倒な人や迷惑な人、厄介な人を指す言葉です。
¡Qué hincha huevo!は感嘆文として使われおり、感嘆詞Quéの後に名詞が続いています。
面倒な人や迷惑な人を表す以外にも、物事に対しても使うことができます。
たとえばせっかくなので、感嘆表現らしく面倒な感情を込めて次のように表現してみましょう。
- ¡Qué hincha huevo eres!
「何てうるさいやつなんだ!」 - ¡Qué hincha huevo es este trabajo!
「何てめんどくさい仕事なんだ!」 - ¡Qué hincha huevo son estos mosquitos!
「何てうるさい蚊なんだ!」
¡Qué hincha huevo!は品の良い表現ではなく、失礼な表現ともとれるので、十分に注意して使ってください。
あまり使いすぎるとお品のないスペイン語を使う人と思われる可能性があります。
No me rompas los huevos.(邪魔するな)
No me rompas los huevos.とは、直訳すると「私の卵を割るな」という意味になります。
スラングとしては「邪魔をするな、私に迷惑をかけるな」という意味です。
卵つまり睾丸を割るのは不快で激痛を伴いますので、自分に対する相手の不快で迷惑な行為を批判し、怒りや不満を表すときに使います。冗談めいて使うこともあります。
たとえば、友達がうるさく話しかけてくるときに、No me rompas los huevos, estoy ocupado.と言えば、「うるさいからやめてくれ、忙しいんだ」ということになります。
あるいは、一生懸命に集中してスペイン語を勉強しているときに、邪魔してくる友達がいたら、No me rompas los huevos, estoy estudiando español.(邪魔すんなよ、スペイン語を勉強してんだよ)と使うことができます。
No me rompas los huevos.は、ちょっと強めのスペイン語スラングなので使うときは注意しましょう。
Cúpame un huevo.(馬鹿言ってんじゃないよ)
Chúpame un huevoはスペイン語の非常に失礼な表現で、直訳からもわかると思いますが「私の卵をしゃぶれ」という意味です。これまでの表現の流れから分かると思いますが、そういう下品なスラングです。察してください。笑
意味としては、「馬鹿言ってんじゃないよ、ふざけんじゃないよ」のようなニュアンスで、怒りの感情を込めて使われることもありますが、もっぱら親しい間柄で、冗談としてよく用いられます。
たとえば、友達が1000万を貸して欲しいと言ってきたときに、Chúpame un huevo(何言ってんだよ、馬鹿じゃないか)と言うように表現できます。
何度も言いますが、下品極まりない表現です。実際に使う必要はありませんが、言われた際に理解できるように念の為頭の片隅にでも入れて置いてください。
Ten huevo.(勇気を出して)
Ten huevo.とは、直訳すると「卵を持って」という意味になりますが、スラングなので文字通りの意味にはなりません。
スラングとして「勇気を出して、根性を出して」という意味で使われます。
これは、卵=睾丸が男性の象徴であることに由来し、勇気や根性をイメージさせる表現になっています。
たとえば、勇気がなくて何かを決断できない友人に対して、¡Ten huevo!(勇気を出せよ、根性を見せろ)というニュアンスで用いられます。
男なら持ってんだろ?男を見せてみろ!という意味合いの表現です。
¡Qué huevón!(なんて馬鹿なんだ)
Huevónは、卵や睾丸を意味するHuevoに接尾辞の-ónがついた単語です。
Huevónはスペイン語圏の国や地域によってさまざまな意味を持つ場合がありますが、一般的には「怠惰な人」「愚かな人」を指す蔑称です。
言われるとちょっと嫌な単語なのですが、母親が子どもに対して愛情や愛着を持って使うこともあります。
たとえば、子どもが学校で財布をなくしてしまって、それを母親に話したとします。すると、母親は子どもに対して、¡Qué huevón!(なんてお馬鹿さんなの)というように用いられます。
Tengo los huevos en la garganta.(ビビっている)
Tengo los huevos en la garganta.は、想像するとちょっとおかしなスペイン語スラングです。
このスペイン語は「私はのどに卵=睾丸がある」が直訳で、日本語で「ビビっている」という意味です。
何かに対して非常に恐れているときに使います。
los huevosは睾丸を意味し、恐怖で股間が縮こまり、睾丸がのどまで上がってしまったというイメージを表しています。
この表現は主にラテンアメリカで用いられ、スペインのスペイン語ではあまり一般的ではないと言われています。
Estoy hasta los huevos.(もううんざりだ)
Estoy hasta los huevos.とはスペイン語に直訳すると、「私は卵のところまでいる」という意味です。
「もううんざりだ」という状況で用いられるのスペイン語表現です。
Estoy harto.(うんざりしている)のスラングバージョンだと思ってもらうと分かりやすいかもしれません。
当然ながら、卵は睾丸を指していますが、この表現によって自分の状況に対する不快感や無力感を表すことができます。
たとえば、仕事が次から次へとやってきてもう嫌だというときに、Estoy hasta los huevos de trabajo.と使うことができます。
また、学生ならば、学校の課題がいっぱいあって辟易したときに、Estoy hasta los huevos de tareas.と使うことができます。
スペインや他のラテンアメリカの国でよく使われる表現なのですが、hasta los huevosがどうしてうんざりの気持ちを表すのかははっきりとは分かっていないようです。実際にネイティブもあんまり意味を考えずに使っているようです。
一説には、両手ではいっぱいのの物事をたくさん抱え込んで卵(睾丸)の方まで重くなってもう抱えきれないというイメージから来ていると言われています。
人には物事の限界があり、その限界が睾丸まで来てしまった、物事からくる不快感がもうこんなとこまで来てしまっているというイメージで「もううんざりだ」という意味なのでしょう。
まとめ|Huevo(卵)のスペイン語 12選
お疲れ様でした。
Huevo(卵)のスペイン語スラングがたくさん出てきましたね。
最後に、今回出てきたHuevo(卵)を使ったスペイン語スラングをチェックしてみましょう。
- No seas huevo frito.(馬鹿になるな)
- Va a pissando huevos.(のろのろ歩く)
- Me chupa un huevo.(どうでもいい)
- Me cuesta un huevo.(とても高い、とても難しい)
- Deja de hinchar los huevos.(迷惑をかけるのをやめろ)
- ¡Qué hincha huevos!(なんて面倒くさいんだ)
- No me rompas los huevos.(邪魔するな)
- Cúpame un huevo.(馬鹿言ってんじゃないよ)
- Ten huevo.(勇気を出して)
- ¡Qué huevón!(なんて馬鹿なんだ)
- Tengo los huevos en la garganta.(ビビっている)
- Estoy hasta los huevos.(もううんざりだ)
スラングは低俗な言い方ではあるものの、スペイン語圏では日常的に使われています。
わざわざ使う必要はありませんが、ネイティブが使う以上、多少のスラングの知識は日常会話に必要だと思います。
もし、スペイン語学習者がいきなりスラングを使えば、「なんでそんな表現知ってるの?」と会話が盛り上がるかもしれません。
スペイン語の基本単語と言えど、侮れません。HuevoされどHuevoな表現ばかりでした。
機会があれば、状況や言う相手に十分に気をつけて使ってみてくださいね。